BS[みんなのショパン」

昨日はNHKBS放送でショパン生誕200年記念として4時間の生放送番組を見ました。現在国内外で活躍しているピアニスト達を集めて、ショパンの名曲を演奏、仮屋崎省吾さんや歌舞伎の中村福助さんとのショパンとのコラボもあり、おもしろい番組でした。

中でも素晴らしかったのは、ブーニンの「子犬のワルツ」と、小山美稚恵さんのショパンの生家で弾いた「協奏曲2番の第2楽章」のピアノヴァージョンでした。ブーニンといえば、19才でショパンコンクール1位になった超有名なピアニストですが、当時のコンクールの中で弾いた「子犬のワルツ」は目にも止まらぬ速さと軽やかさで、誰も真似できないようなとてもエキサイティングな曲に聞こえました。あれから25年以上たち同じ曲を聴いた印象は全く変わりました。テンポが落ち着き、その代わり一音一音を歌わせてまるで愛しいものを触るように弾いていました。小山美稚恵さんも美しいメロディーをより美しく聴かせるように、ショパンと一体になっていました。

二人に共通して感じたことは、人間として歳を重ねることで知識と経験にとって深さや厚みができてきて、それらを通して演奏も変わってくるのだなということ。20代では、表現できないことが、30代.40代とできるようになっていく。世の中では、若さが一番の特権のように思われがちだけど、歳を重ねることって素敵なことなんだと思いました。
それに200年も前のメロディーがけして色褪せることなく現在の人々の心に染み入ることは、本当に素晴らしいことだと思います。音楽の壮大な力を感じました。それを伝えていくのがピアニストのお仕事なんて、幸せな職業ですよね。

私も自分なりにショパンをもっと深く理解して表現したいと思いました。